フィリピンでは総選挙の年には例年多くの選挙がらみでの傷害・殺人事件が起こる。
<フィリピン>知事選候補者の妻ら36人殺害

フィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州ダトアブドラサンキ町で23日、来年5月の同州知事選の立候補届け出に向かっていた候補者の妻 や地元記者らを乗せた車列が武装グループに襲われ、誘拐された。国軍によると、妻や記者ら36人が現場近くの山中で遺体で見つかった。

 国軍によると、100人ほどの武装グループが車列を待ち伏せしていた。候補者の副町長らと対立していた現職知事一族が、事件に関与しているとみている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091123-00000052-mai-int


2004年の総選挙では249件の事件が起こり、148人の犠牲者が出た。そして2007年の中間選挙では229 件の事件が起こり、121人の犠牲者が出た。

このようにフィリピンの選挙は金と暴力と銃が支配すると言われており、毎回100人を超える死者を出しているわけだが、今回のように一度に30人以上が犠牲になったのは初めてかもしれない。

なおかつ、今回は知事へ立候補しようとした副町長が、自分が届出をすると波風が立つと思い、暴力沙汰を避けるためにわざわざ妻をはじめとした女性支援者と報道関係者だけを向かわせていた。

そこへの襲撃とあって、その暴力性には驚くばかりだ。



場所はイスラム教徒ミンダナオ自治地域(Autonomous Region in Muslim Mindanao, ARMM)にあるマギンダナオ州ダトアブドラサンキ町である。同州やミンダナオ島のほかの州では、政敵の一族同士の衝突や復讐が頻繁で、報復殺人も少なくない。島内には無法地帯も多く、銃の不法所持が増加している。

フィリピンの中でもミンダナオ島はイスラム教徒が多く、現在でも一部地域ではイスラム武装勢力と国軍との間での交戦が続いている。

日本人からすれば、同じ時代を生き、同じ空気を吸っているとは思えない出来事かもしれない



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