これは酷い。一瞬、エイプリルフールなんじゃないかと疑ってしまった。
仙谷戦略相が予算酷評「戦争末期の軍事費」
仙谷国家戦略相は1日、CS放送朝日ニュースターの番組収録で、2010年度予算を「どなたが見ても『この国が続くのか』と不安心理を醸し出すのは間違いない」と酷評した。

予算編成の基本方針の企画、立案などを担当する国家戦略相が、自ら所属する政権の編成した予算を批判する姿に、「野党気分が抜けていない」(政府関係者)と戸惑う声が出ている。

戦略相は、10年度予算の国債発行額が過去最大の44兆3030億円と、当初予算としては戦後初めて税収を上回ったことについて、「戦争末期の軍事費が膨れあがった時くらいしかなかった。本来、あってはならない姿だ」と指摘。

そのうえで、「小渕首相の時の金融危機で銀行などを救済したところから、悪い循環が始まった」「『リーマン・ショック』以降の(経済の)疲弊を受け継いだ予算とならざるを得なかった」などと強調、元凶は歴代の自民党政権の財政や金融政策にあると断じた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100401-00000923-yom-pol

そもそも、自分が与党の大臣なのに、その「自分で作った」予算を酷評するとは何様だろう?そんなひどい予算を作る与党はさっさと退陣してもらわなくては困る。

しかしまた、その批判の論点がずれている。「小渕首相の時の金融危機で銀行などを救済したところから、悪い循環が始まった」と言っているが、小渕内閣による大規模財政は、橋本内閣による緊縮財政による景気の悪化を救った政策だ。仙谷戦略相は財務省・財政均衡派なものだから、鳩山政権による財政拡大を批判しているということだろう。

問題は財政拡大そのものにあるのではない。不況下にあっては、財政拡大は必要。問題はその内容である。国民から集めたお金を子ども手当で「富裕層にも」ばら撒くという馬鹿げた自称・経済対策こそが問題なのだ。こうした意味の無い財政拡大ならば、やめたほうが良い。だが、もちろん、仙谷戦略相はそんなことは思っていない。税収が減ったのだから、支出も減らすべきだという、家計なら当たり前、国家なら大間違いな意見を主張しているだけのことだ。

まあ、どっちにしても、自分達の政権が作った予算案を大臣が酷評するなんて、国民にとっては信じられない光景ですが。

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