2010年9月7日、日本の海上保安庁の巡視船と中国の漁船が尖閣諸島近海で衝突し、中国船船長が公務執行妨害で逮捕、その後、釈放された問題で、政府は海上保安庁が撮影した証拠の映像を公開しないことを決めた。

尖閣ビデオは非公開、「日中」再悪化を懸念
政府・与党は7日、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の様子を海上保安庁が撮影したビデオについて、公開に応じない方針を固めた。公開すれば日中両国で相互批判が再燃し、4日の日中首脳会談を機に改善の兆しが出てきた日中関係が再び悪化しかねないとの判断からだ。国会がビデオ提出を求める議決をした場合などは、予算委員会など関連委員会の「秘密会」への提出とし、限定的な開示にとどめたい考えだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101007-00001416-yom-pol


この事件は今後、中国による日本領土の占領にさえ繋がる可能性を孕んでいる問題であり、国内に非常に大きな衝撃を与えた事件にも関わらず、その発端となった衝突の瞬間を公開しないそうだ。特に、この事件では巡視船の停船命令を無視して2隻の巡視船に意図的に漁船を衝突させたという悪質な行為が、逮捕の根拠となる公務執行妨害に該当したものだ。

このままビデオ公開が見送られると、国民はこれまで「自分が見たわけでもないこと」を根拠にして騒いでいたことになる。

両国の関係に配慮してということだが、明らかな違法行為を「配慮」によって見逃し続ければ、良好な関係が保てるとでも言うのだろうか?それならば、今後も、尖閣諸島周辺で中国漁船がどれだけ操業しようとも、もう、見逃す以外の選択肢はなくなってしまう。それは事実上、尖閣諸島を中国に差し上げるということではないか?

そもそも、事件直後にビデオが公開されなかったこと自体が異様だ。もし、問題発生直後にビデオ公開に踏み切っていたならば、国際世論の支持さえ得られたのではないか?とりあえず、政府は問題対処能力を喪失しているようだ。

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