記事は2010年5月のフィリピン大統領選挙にニワトリのモノマネが上手い人や、自分を「最後の救世主」と呼んでいるちょっとアレな人が続々と届出をしていて、但し、そうした人たちの多くは選挙管理委員会から立候補が認められないだろうという内容だ。

但し、気になる記述が一箇所あった。記事の結びで

「例えば、出馬を表明しているジョセフ・エストラダ(Joseph Estrada)前大統領。98年にB級映画俳優から大統領になったが、3年後に無血クーデターで追放され、不正蓄財で終身刑判決を受けながら、恩赦で釈放されたというなんとも「カラフル」な経歴だ。」

と書いてあるのだが、果たしてエストラーダ大統領はB級俳優だったのだろうか?気になったので調べてみた。

すると

His film career spans 33 years, from 1956 to 1989. He played the lead role in more than 100 movies, and was producer of over 70 films. He was the first FAMAS Hall of Fame awardee for Best Actor (1981) and also became a Hall of Fame award-winner as a producer (1983).He also founded, together with Dr. Guillermo De Vega, the first Metro Manila Film Festival in 1975

エストラーダの映画経歴は1956年から89年までの33年に及び、エストラーダは100本以上の映画で主役を、70本以上の映画でプロデューサーを務めた。エストラーダはFAMASでベスト・アクターとして殿堂入りした初めての人物であり (1981年)、またプロデューサーとしても殿堂入りしている(1983年)。またエストラーダは1975年にメトロマニラ映画祭を初めて開催した創設者の一人である。

ということだ。

ちなみにFAMASとはFilipino Academy of Movie Arts and Sciences Awardの略でフィリピン映画芸術及び科学アカデミー賞のこと。これはアカデミー賞のフィリピン国内版であり、フィリピンで最も権威ある賞らしい。

なおかつ「Hall of Fame]とは殿堂入りを指し、FAMASのベスト・アクター賞自体は62、64、66、69、81年と実に5回も受賞している。エストラーダが政治家に転身したのは69年(町長)のことだから、それまでの受賞は政治とは無関係に獲得したと考えられる。

そうすると、エストラーダとはB級映画俳優からは程遠い、フィリピンアカデミー賞を何度も受賞し、殿堂入りさえした、フィリピンの国民的俳優と言えるのではないだろうか?

いくらエストラーダ大統領を揶揄したいとは言え、事実でないことを報道に書くのはマズイと思うなあ。だって、この記事読んだ人はエストラーダをB級俳優出身だと思い込むよ。確実に。


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