藤井財務相は「円安政策をとらない」と述べた。
「円安政策とらない」藤井財務相、米に約束

【ピッツバーグ(米東部)=森田将孝】藤井財務相は24日午後(日本時間25日未明)、金融サミットの開幕前にガイトナー米財務長官と初めて会談した。

 藤井財務相は会談後に記者団に対して「他国のような通貨安政策には反対で、円もそう対応すると申し上げた」と話し、ガイトナー長官に安易な円売り・ドル買いの市場介入などによる円安政策は取らない姿勢を伝えたことを明らかにした。通貨当局の責任者が公式の会談で為替介入しない方針を伝えるのは極めて異例で、発言が為替や株式市場に与える影響が懸念される。

 藤井財務相は米側に「自国通貨安の政策をとる傾向もあるようだが、(4月の)ロンドンサミットにおいて駄目となった」と伝えたことを明らかにし、このような方針に対して「ガイトナー長官は非常に好感を持っていた」と述べた。

 ただ、藤井財務相は「ガイトナー長官が基本的にドルは強くなくてはならないと言っていることは多とする」とも述べ、自国通貨を強くしたいとする米国側の立場にも理解を示した。

 また、藤井財務相はガイトナー長官に、鳩山政権が衆院選の政権公約で掲げた内需中心の経済政策に切り替える方針を伝えた。米国は貿易赤字などの改善のため、中国や日本などの輸出国に内需拡大を求める「世界的な経常収支の不均衡」の是正を提唱しており、ガイトナー長官からは日本の内需拡大方針に共感を得られたとしている。

 円安政策を取らずに円高になれば、輸入品が安くなるなど内需振興に寄与しやすいとの見方があることについて、藤井財務相は「そういう意図した為替政策は取らない。為替市場は自由経済の牙城で、安易に公が介入するというのはどうかと思う」との認識を示した。

 金融機関の自己資本比率規制の強化については「基本的に健全にしていくことは賛成だが、早急にやるとかえって貸し渋りを起こす傾向があるとも理解をしてもらった」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000397-yom-bus_all

藤井財務相は米ガイトナー長官との会談で安易な円売り・ドル買いの市場介入などによる円安政策は取らない姿勢を伝えたことを明らかにした。

これについて少し考えていたのだが、まあ、政府が為替介入して円安誘導しないということについては、それで良いと思う。なぜなら、そもそも為替介入は一時的な効果しかもたず、それによって為替の水準自体を変化させることはできないだろうからだ。

その上、現在は昔と違い、市場勢力が強すぎて、政府介入ごときでは太刀打ちできない状況が生まれている。だから、当のアメリカさえ、長らく為替介入はしていない。

その上で、もし円安政策を実施しようとするならば、本来は金融の量的緩和である。つまり、マネーサプライを増やして、国内金利水準を下げる。これにより海外との金利差が生まれると、投資家は円を売り、ドルを買って海外に投資(米国債の購入など)するから、円安が進むというものだ。

ただし、これが通用したのは昨年の金融危機発生前までである。当時はアメリカも欧州も金利が高かったから、日本がゼロ金利を実行することで自然と円安が進んだ。2004年から日本経済が回復したのはそういう仕組みだった。これが、昨年からの世界同時不況入りで通用しなくなった。なぜなら各国が量的緩和政策に踏み切り、金利を大幅に下げたからだ。もう、日本との金利差がほとんどないので、日本がゼロ金利でも円安に進む見込みはない。

では、そうした中で何が可能なのか?というと、日本がインフレを起こすことだ。日本が、インフレになるまでどんどん、どんどん円を刷れば、円の貨幣価値は下落するから、これ、つまり円安に進む。投資家は価値が下落していく通貨を持っていようとは思わないのだから。

そして、それと同時に、インフレなわけだから、企業は設備投資を行うインセンティブが生まれ、家計も消費を増やすインセンティブになる。なにしろ、貨幣でもっておくよりは、どんどん値段が上がっていく財の購入にあてる方が有利になるからだ。

つまり、インフレを目指したリフレ政策をとれば、内需が回復するとともに、円安方向へ為替が動き出し、輸出企業の業績も回復するというわけだ。

為替介入なんて小手先の政策はいらないから、リフレ政策を採用してくれないものだろうか?

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