米の2009年会計年度(08年10月~09年9月)の財政赤字が約1兆4170億ドル(約129兆円)になり、1945年度以来最悪となったということだが、これ自体は大きな問題ではないと思う。
この財政赤字はリーマン・ショックに始まる金融危機と、世界同時不況への経済対策として支出したものだから、この財政支出がなければ、米経済への被害はより大きく、より長期に渡るものとなっていただろう。その上、これらの財政赤字の大部分を米の中央銀行であるFRBが引き受けているから、それだけ大きな金融の量的緩和となり、今の米経済をだいぶましな状態にしている。
経済不況が長引けば長引くほど、GDPの損失は大きいので、赤字額は大きくとも、短期間に経済を通常状態へ復帰させるための財政支出と金融緩和は、緊急措置として望まれるものだ。