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予算

来年度予算案で日本は変わる

来年度の予算案がまとまった。


それによると、予算は92兆2992億円、歳入は37兆3960億円、税外収入が10兆6002億円、そして新規国債発行額は44兆3030億円となる。

来年度予算の特徴は、公共事業費を前年度比18.3%減の5兆7731億円と1.3兆円削減する一方、子ども手当に1兆7465億円、高校無償化に3933億円、農業の戸別補償に5618億円を支出することだ。

「2010年度予算案、暮らしはどう変わる?」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091226-00000179-yom-bus_all

にもあるとおり、月額2万6000円の子ども手当と、年間12万円(公立)の高校無償化の実施により、子どもを持つ家庭はこれまでよりも収入が増えることになる。

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photo by rok1966

「コンクリートから人へ」と言われるように、一言で言えば公共事業を削減して一部の人たちに直接給付しようという話なのだが、景気対策としては弱く、公共事業を削った分だけの失業者が生まれ、なおかつ、直接給付を受ける対象はそれら政策転換による失業者ではないという新たな格差を生むだろう。

また、ここで不思議なのは、来年の予算92兆のうち、44兆円を新規国債発行で賄うわけだが、この金額は税収を超える。また、一般歳出予算53兆4542億円のうち実に27兆2686億円が子ども手当を含む社会保障費として使われ、これは一般歳出の半分を超える。これは見方を変えれば、恒常的な支出となる社会保障費を国債を財源として賄おうという話ともとれる。

社会保障とは本来、所得の移転である。それも高所得者から低所得者への移転でなければ意味が無い。しかし、今回の予算案を見る限り、社会保障費の財源を国債に求め、なおかつ、所得の移転先は「子どもを持つ家庭」であり、決して低所得者対象ではない。むしろ公共事業削減による失業者が増加するのが必然となる予算に見える。

海外の景気回復に乗じた日本の輸出拡大や、金融政策によるデフレの克服が伴わなければ、かなりシビアな状態になることが予想される。


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未だに見えない政府・民主党の予算方針

この期に及んで国債発行額「44兆円以内」の方針を政府・民主党が示している。

国債発行「約44兆円以内」=政府・与党が大筋合意-予算基本方針

政府・与党は14日、2010年度予算編成の基本方針策定をめぐる協議で、国債発行額に関し、「約44兆円以内に抑えることを目指し、最大限の取り組みを行う」などの表現を盛り込む方向で大筋合意した。景気認識などについてさらに調整した上で、15日に閣議決定する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091214-00000107-jij-pol 


すでに伝えられている通り、来年度の概算請求額は95兆円を超える一方、税収は37兆円程度に落ち込むことが予想されている。その差額58兆円である。

にもかかわらず、政府・民主党は国債発行額を44兆円に維持する方針を示した。では、58-44=14兆円はどうするのか?

まさかここで、増税を行えば、日本経済は一発で終わる。

かといって、事業仕分けまでしてやっと6000億円だけしか削れなかった予算額を、ここからさらに14兆円も削ろうと言うわけでもあるまい。

政府・民主党が考えている経済政策、財政等についての先行きが未だに見えてこない。経済にとっては、政府の考えがわからないということ自体がすでに大きなマイナスなのだが・・・・・



税収37兆円 予算95兆円?



2009年度の税収は当初見込みの46兆円から、37兆円程度に落ち込む見通しとなった。10年度の税収も大幅な回復は見込めない。国の借金にあたる09年度の新規国債発行額は1次補正後の見込みの44兆円から50兆円を突破して、過去最高だった99年度の37.5兆円の1.4倍に膨らむ。各省庁の概算要求額は過去最大の95兆円に上っているのに対し、鳩山由紀夫首相は、国債発行の上限を44兆円とする目標を掲げている。


2009年度の税収が当初見込みから9兆円も減少して37兆円になる見通しだ。一方、来年度の概算要求額は95兆円。このままいくと、58兆円も足りない。

今後は「事業仕分け」を踏まえた歳出の圧縮や、政権公約に掲げた主要政策の見直しが焦点となる。また財務省は税外収入の確保のため、「霞が関埋蔵金」といわれる特別会計の剰余金や積立金を、可能な限り活用する方向だ。

とのことだが、事業仕分けで圧縮されたのはほんの3兆円程度だったはず。また、埋蔵金なんて見つからなかったんじゃなかったか?

いったい、どういう算段なんだろう?

加えて指摘すると、社会保障費約23兆円に新設される子ども手当て5兆円や農家への戸別補償0.3兆円などを足すと30兆円近くならないだろうか?税収が37兆円しかないのに、個人に給付されるお金が30兆円というのは、わざわざ徴税したお金のほとんどを「特定」の人たちに与えてるだけで、単なる富の再分配で終わってしまう。この場合経済に与える効果は徴税された人と給付を受けた人の消費性向の差の分しか違わないので、ほとんど効果は無い。そして、付加価値は何も生まない。

変じゃないか?

とりあえず、50兆円を超える赤字が出ることは間違いないから、それを赤字国債で埋めることになる。もし、国債を市場で売却(資金を市場で調達)すれば、市場金利が上昇するのが普通だから、デフレ不況の中、市場金利が上昇すれば経済はお終いだ。もし、国債を日銀に引き受けさせれば、市場金利は上昇しない上に、マネーサプライが増加するので、デフレからインフレへと転換し経済が回復するかもしれない。

デフレ不況下で政府支出の増大と日銀による国債引受というのは高橋財政と呼ばれる世界不況の中から日本を脱出させた方法なので、これを意識的に目指しているとしたら立派。ただ、これまでの民主党の経済政策を見たところ、マクロ政策は一つも見当たらないので、まさか高橋財政を最初から意図しているわけではないだろう。何も考えていなければ、国債の市場売却でThe Endだろうし、なし崩し的に国債の日銀引受を決めれば、意図せずして経済回復ということになる。その場合でももちろんコントロールされた財政政策と金融政策でない限り安心はできないのだが。

それにしても、あれだけ派手に「必要な予算」を1時間で削っていく事業仕分けをやりながら、一方で税収が見込み違いで9兆円も落ち込むとか、何考えてるんだろう?そろそろ民主党内の経済に詳しい部分が本格的に乗り出さないと、手遅れになるんじゃないかな?それとももう、手遅れかな?




科学技術予算削減で旧帝大学長らが緊急声明

事業仕分けで科学技術関連予算が削減されたことについて、旧七帝大と早稲田、慶応の9大学の学長が緊急声明を発表し、異論を唱えた。
事業仕分け 旧帝大学長ら「科学技術削減は世界に逆行」

東京大、京都大など旧7帝大と早稲田大、慶応大の9大学の学長が24日、政府が事業仕分けなどで科学技術予算の削減を提案している状況に対し、「世界の潮流に逆行し、さらなる国家の危機を招く」などとして見直しを求める共同声明を発表した。有力大学の学長が共同で政策決定過程に発言することは異例だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091124-00000005-maip-soci


日本は科学技術で立国したようなものだから、その人材と技術を高めるための科学技術関連予算が削減されることは将来的な国のあり方を左右する問題だろう。ただでさえ、新興国の勃興により、日本はさらに技術分野に力を入れて、他国では真似できないようなレベルにまで達する必要があるほどだ。

しかし、事業仕分けではほんの1時間の議論で、次々と日本の先端技術開発予算が削減されていった。

その一方で、11月だけで1兆8400億円も追加的に途上国支援を行うことを表明している。

大学学長が政策決定過程に発言することは異例とのことだが、ここで発言しなければ、なすがまま、なされるがままに国の科学技術の発展が阻害され、衰えていく日本を眺めているに過ぎない。責任ある立場の人間が、必要なときに声を発するのは重要だと思う。




1兆円超を削減しても、それ以上に支出する

事業仕分けでどれだけ予算削減しても、それ以上の額を海外へ拠出しそうな勢いだ。

事業仕分けで計1兆円超を国庫返納 結果踏まえ来年度予算を削減へ

政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)が平成22年度予算の概算要求の無駄を削る事業仕分けは17日、都内で5日目の作業を行い、第1ラウンドの議論を終えた。その結果、事業の「廃止」や「予算計上の見送り」と判定された予算は1500億円程度にとどまるが、数千億円規模の基金や特別会計予算を国に返納すべきとしており、実質的な国庫返納額は1兆円を超える見込みだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091117-00000630-san-pol


政府は事業仕分け5日目の作業を終え、これまでに1兆円以上を国庫へ返納、予算削減に成功したと伝えた。今後、全作業終了までに3兆円の予算削減を目指す。

しかし、ここでどれだけ削減しても、それら削減できたお金が有効に使われるわけではなさそうだ。まずはこれ。



政府は途上国の温暖化対策に3年間に総額90億ドル(約8千億円)を拠出する方針を明らかにした。これはいつぞや鳩山首相がぶちあげた鳩山イニシアチブだかの具体化だ。

そしてこれ

首相、3年間でODA5千億円表明 日メコン首脳会議

鳩山由紀夫首相は6日、日本・メコン地域諸国首脳会議第1セッションに出席し、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムのメコン地域5カ国を対象として、今後3年間で5000億円以上のODA(政府開発援助)を拠出すると表明した。首相は(1)ハード、ソフト両面のインフラ整備(2)オールジャパンとしての官民の協力・連携の強化(3)地域横断的な経済面での制度整備-の3本柱で協力を推進する意向を示した。


日本政府は今後3年間でメコン地域の国々へ5000億円以上のODAを拠出することを表明した。もちろん、さっきの途上国支援とは別物、別枠の話である。

そしてこれ

5年で40億ドル拠出、アフガン支援策固まる 元タリバン兵に職業訓練

政府は3日、反政府武装勢力タリバン元兵士への有給の職業訓練実施など、民生分野を中心とした新たなアフガニスタン復興支援策の骨格をまとめた。平成22年から5年間の総額で40億ドル程度となる見通し。鳩山由紀夫首相はアフガン支援について「国際社会の最重要課題の一つ」と位置付けている。12日に予定されているオバマ米大統領の初訪日に先立ち正式決定したい考えだ。


11月3日の段階では40億ドル程度とされていたが、その後、オバマ大統領の訪日時にはアフガンへの50億ドルと、すでに表明済みだったパキスタンへの10億ドルで計60億ドルの拠出が表明された。これについては本ブログの「アフガニスタン支援に50億ドル」の中で批判してある。

これで今月発表された分だけで

温暖化対策の途上国支援90億ドル(8000億円)
メコン地域へのODA5000億円
そしてアフガン+パキスタンへの支援60億ドル(5400億円)

合計1兆8400億円だ・・・・・・

何、これ?

日本でこれだけ予算削減のためのパフォーマンスをやりながら、海外へはこの一月で2兆円近くをポンと約束。

誰のお金なんでしょうね?




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