私のしごと館の閉鎖が決まったのだとか。

「税金の無駄遣いの象徴」といわれた関西文化学術研究都市の職業体験施設「私のしごと館」(京都府精華町、木津川市)が31日に閉館する。所管する厚生労働省は今夏にも入札を行って建物を売却する方針だが、景気が低迷する中で甲子園球場の総面積に匹敵する施設の引き受け先が見つかるかどうかは不透明。地元自治体や学研都市の関係者からは「巨大な幽霊屋敷になる恐れもある」と懸念する声が出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100330-00000058-san-soci


そもそも筆者はそんな施設の存在さえ知らなかったが、ちょっと調べてみると、「私のしごと館」の目的は「世界最大級の職業総合情報拠点として、失業予防のための若年者への職業意識啓発(職業教育、キャリア教育)を目的とする各種事業を実施する」ことなのだとか。

これは酷い・・・・

そもそもこのところの若年失業率は10%に上っている。失業率とはいつでも働く意欲があり、仕事を探しているにも関わらず働けない人だけをカウントしているわけで、今の日本社会、働きたくても働けないことこそが問題だというのがわかる。

しかし、この「私のしごと館」が目的としていたのは雇用の拡大ではなく「若年者への職業意識の啓発」である。つまり、最近の若者は働く意欲がなくて困るという認識が背後にあるのはみえみえだ。

問題なのは、若者に雇用を提供できない企業、そして政府である。それを若者の職業意識に責任転嫁し問題解決を図ろうとしたのだから、初手から間違えていたと言わざるを得ない。そんな、間違えた処方箋を実施する施設、役に立たなくて当然だ。

そして、「私のしごと館」建設に費やされた費用が581億円だとか・・・・

もちろん、この581億円は公共事業であり、誰かの所得になったと考えれば無駄ではなかったという判断もできるのだろうが、しかし、付加価値を生まない「無駄な公共事業」に費やされた税金はGDPを向上させない(厳密には581億円×消費性向分だけGDP向上)。だったら、最初から581億円を徴収しないか、国民に分配していれば済んだ話なのだ。それで、経済効果は同等になるから。

それにしても、こんな思いつきレベルの杜撰な施設に581億円も使っていたなんて驚きだ。

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